舌側矯正は発音への影響に注意
▲滑舌・発音には影響が
歯の裏側に矯正装置をつけるため、人に気付かれずに歯並びができる舌側矯正ですが、多くの場合は発音に影響が出ますので、仕事上、発音が大事な方は注意が必要です。
当院では、小型の舌側矯正装置を使用していますが、それでも多かれ少なかれ、ほとんどの方に発音への影響が出ます。そのうち、慣れて大丈夫になる人もいれば、ずっと影響が出っぱなしの人もいます。
影響の程度は個人差が大きいので、付けてみないと分からないのですが、舌側矯正のブラケット(歯に接着するワイヤーを通すための歯列矯正装置)はオーダーメイドになるため高額で、一般的に発音に影響が出たからと言って、中止することができません。
基本的には、舌側矯正装置をつけると発音への影響は出るものと覚悟して、選択するのがよいでしょう。
発音の影響が低い矯正歯科装置は
発音への影響も無く、見えない矯正治療をご希望の方には、マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(インビザライン)がお勧めです。
マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(インビザライン)についての詳しい情報は当院のマウスピース矯正ガイドを参考にして下さい。ただし、マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(インビザライン)は全ての症例に適用できるわけではありません。
治療可能な症例の範囲という点では舌側矯正に分が有ります。どの装置も一長一短なので、全ての矯正装置が生き残っているわけです。
患者さんからの興味深いお話「英語の発音」
横浜フォルテ矯正歯科・院長より
裏側に矯正装置をつけている患者さんから、とても興味深いお話を伺うことができました。
その患者さんはお仕事で英語を使われる機会もある方なのですが、「普段使う日本語の発音には大分慣れたが、たまに英語を話す際には、裏側の矯正装置が邪魔に感じる」と仰るのです。
矯正装置をつけた上での、日本語の舌の使い方には慣れたが、英語の舌の使い方にはまだ慣れないということでしょう。思わず、なるほど!と唸ってしまいました。
違和感を軽減する方法「ハーフリンガル」
▲ハーフリンガル
見えない矯正治療を希望される方は、舌側矯正(リンガルブラケット矯正法)治療かマウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置になりますが、舌側矯正は装置の違和感が大きいというデメリットがあります。特に下顎の舌側矯正は、舌への違和感が大きいです。
そこで、かなり目立たず、尚且つ違和感を軽減する方法が、ハーフリンガル(上顎が表側、下顎が裏側)の矯正治療です。
費用も上下の舌側矯正よりかなり安くなり、人気が高い治療方法です。
フライトアテンダント(キャビンアテンダント:CA)と歯列矯正装置
▲フライトアテンダント
当院ではフライトアテンダント(客室乗務員、キャビンアテンダント)さんの歯列矯正治療を担当させていただくことがしばしばあります。
10名くらい治療をしたところでようやく、どうも「矯正装置をつけて良いかどうかのルール」が会社や、その方の配属されている部署の判断によって違うらしいということが分かってきました。
表側に矯正器具をつけるのは全くNGという方もいれば、下顎の歯であれば表側でも大丈夫という方もいらっしゃいます。また、マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(インビザライン)はOKの場合が多いです。
割合としては、舌側矯正が最も多く、続いてマウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(インビザライン)とハーフリンガル(上が裏側、下が表側の歯列矯正)になります。これまで上顎の歯の表側に矯正装置をつけたフライトアテンダントの方は一人もいないのですが、会社のルールですから仕方ありませんね。
先にも書きましたが、舌側矯正を選択する場合に覚えておいてほしいのが、発音への影響です。かなりの確率で発音への影響が出ます。慣れるまでに時間を要することもありますので、注意して下さい。
管楽器や歌などへの影響は?
舌側矯正は発音に少なからず影響が出ますので、プロの歌手、演奏家、俳優などの方々には、まずお勧めできません。プロを目指している方や学生さんでも影響が出ることは覚悟していただく必要があります。表側矯正であれば歌には影響はでません。
管楽器には表側・裏側に関わらず、影響が出ます。管楽器ではプロテクターを使用することにより影響を減らすことができます。
マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(インビザライン)で治療が可能であれば、歌や楽器への影響は小さくなります。